建設用先端複合材技術協会
会長  森山 陽一
建設用先端複合材技術協会 会長 角 昌隆
 このほど、角昌隆会長の後任として、当協会の会長を承ることとなりました。一言、ご挨拶申し上げます。
 当協会の沿革を振り返ると、1990年(平成2年)に発足した「ACC倶楽部(Advanced Composite Cable)」から、2005年(平成17年)に発展的に改組・改称し「建設用先端複合材技術協会(Association for Advanced Composite Technology on Construction Field)」となり、今年で34年目を迎えようとして
います。
 この間、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの各種新素材複合材料の建設分野への応用ならびにその技術普及発展に努めた結果、2023年3月末時点では、国内外で700例を超える施工実績となっています。
 当協会では、これまで先端複合材である連続繊維補強材を活用していただけるよう「連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物設計・施工マニュアル」の作成、耐久性の調査・検討、ライフサイクルコスト(LCC)の調査・研究、技術講演会の開催などを行ってきました。
 その成果として、国土交通省、自治体、高速道路会社、米国各州の交通局、民間企業など、多くの施主のご理解を得て、以下に示す多方面の分野に連続繊維補強材の施工実績として用途拡大してきています。
 主たる用途:橋梁、海洋構造物、水路・水中構造物、非磁性・非電導構造物、吊り構造物、グラウンドアンカー、地下構造物、補修・補強(トンネル覆工、耐震補強等)など
 社会インフラの老朽化は過去より指摘がありましたが、笹子トンネル事故以降、社会からの認知を得て、社会インフラの保全は大きく変わったと思います。大規模な更新や補修は新規建設の数倍のコストがかかり、また少子高齢化や働き方改革による要因からも社会インフラの維持管理の効率化が求められています。高耐久性材料である先端複合材は、これらのニーズに着実に寄与する選択肢であります。
 今後とも、産・官・学の関係各位のご理解とご指導をお願いし、先端複合材の更なる技術普及に努めてまいる所存です。

令和6年1月